春の夢のクリューナ

PBW 《シルバーレイン》のPC・クリュについて色々書いてます。 全体の書き方は背後とPC混じりです。                   分からない人は回れ右しようね。お姉さん(お兄さん?)との約束だよ(by背後

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最速更新(高校用・冬服BUのSS)

というわけで、冬用BUが完成してから2週間くらいで書いてしまいました。
今回も何も言うまい。
お願いです、興味があれば見てください(願
「偉そうだったり下手に出たり、よく分からない態度ね…」

では、続きからどうぞー!


クリュのBU・高校冬用1

   『冬の足音』

 夏が過ぎれば、やがて秋も深まってくる。そして肌寒さを感じる日が出てくるだろう。さらに季節が巡ると、次は冬の到来だ。
 今朝はそんな冬の寒さを思わせる気温である。
 しかし、クリュは目覚ましの音と同時に、何かの温もりを感じて目を開いた。
「ん――」
 ……何時の間に侵入したのだろうか。布団を覗き込んでみると、丁寧に布団へ潜り込んでいたシロが安らかな寝息を立てていた。
「あれ、どうして……」
 シロは昨夜もちゃんとバスケットの上で眠っていたはずである。
 もちろん、現在のバスケット上にシロの姿はない。
 クリュは不思議に思いながら起床して、室内の寒さを感じ取った。シロが入り込んできたわけに気づき、起こさないようにベッドからの脱出を試みる。
 確かに、クリュはゆっくりと出て布団を掛け直したはずだった。
「……あ、起きちゃった?」
 シロは尻尾を小さく揺らして体を起こした。まだ寝惚けているのか、覚束ない足取りでクリュの元に向かおうとする。だがベッドに上がってきたことを忘れているようで、そのまま落ちそうになった。
 当然ながら、クリュは放っておくわけがない。子供を迎える母親のようにシロを抱っこした。
「暖かいなあ……」
 一旦シロを抱き直して、クリュが感慨深そうに呟く。
 シロと触れ合ってない部分は、布団から出た今涼しいとは言い難い空気に当てられていた。それでも命の息吹を伝えてくるシロの体温が心地良かったのである。
 穏やかな気持ちでいるのは、クリュの胸に寄りかかっているシロも同じようだ。
 自分の胸の中でまどろむシロの様子を、クリュが愛おしそうにそっと眺める。日頃からシロが良い子にしているために、余計そう感じるのだろう。
 とはいえ、シロはさっき一度起きている。欠伸してから頭を上げて小さく鳴いた。
「起きる?」
 シロは床に下ろされると素直にバスケットの上へ乗った。
 少し残念がるクリュだったが、学校がある以上のんびりしている時間はあまりない。冬物の服を引っ張り出す暇もないので、長袖のワイシャツだけ用意して制服に着替えた。
「シロ、下に行くよ」
 大人しくバスケットの上で待っていたシロを連れて、クリュは居間に向かった。


 登校支度を済ませた後、クリュは鞄を取りに自室へやってきた。
 教科書やノートは昨日のうちに、コートなども準備もついさっき終わらせたので、もう何時でも出られる。
 しかし、ふと机の上に置いてある小物入れの《雪霞》に目がいった。
 《雪霞》には、去年のクリスマスプレゼントに貰ったアクセサリー類が入っている。似合っているはずなのに、付ける機会がないという物も一緒だ。
 先程急いだおかげで、時間に少し余裕が出来てはいる。
 クリュは何となしに《雪霞》からイヤリングとブレスレットを出した。ついでに、滅多に使用しないヘアゴムも。
 まずは、イヤリングが見易くなるように後ろ髪を束ね、それから鏡の前に立つ。そして自身も見慣れない自分の姿を見ながらふと思った。髪の長さを基本、肩甲骨の辺りまでとしているからだろう。
「髪、結構伸びたかな」
 髪先を弄りながらぼやいたクリュは、近いうちに美容院へ行こうかと思った。
 続けて、イヤリングの《A cross under the moon》を付けてみる。前髪によって時折見え辛かった。だが色褪せることのない淡い白が、静かな輝きを放つ。クリュの白い雰囲気も持つ銀髪に負けない、装飾品の美しさが確然と表れているようだ。
 《Sardonyx》は現在ブレスレットになっている。形状をネックレスに変えるかどうか思案するが、時計の針が程良い時間を指していることに気付いた。
 片付ける時間の余裕くらいはあるが……。
 再度一考した後、クリュは《Sardonyx》だけを《雪霞》にしまうことにした。
「これは……たまには、良いかな」
 クリュは《A cross under the moon》を外さずに、タンスの取っ手に掛けていたダッフルコートを着込んだ。そして手袋の《白雪》とマフラー代わりの《フェイクファーの襟巻き》も素早く身に着ける。
 支度を整えたクリュは、足早に一階へと降りていった。


 階段を下りていくと、玄関先にいた春の目と合った。
 今まさに出勤するところだったらしく、春は靴を履き終えている。ドアを開けた時に丁度クリュの足音が聞こえてきたから待ったのだろう。
 半端に開かれた玄関のドアから冷たい風が吹き込んでくる。
「今日は寒いみたいだ」
 そう言いながら春は、玄関のドアを閉じた。
「うん、パパも暖かくしていってね」
「ああ、分かっているよ」
 地味ながらもよく似合っているコートを着ていた春に、クリュがわざわざ声をかけた。だがイヤリングしているクリュについて、春は言及するつもりがないようだ。校則違反でないと知っているので、注意しようとは考えなかったのだろう。
「その髪型とイヤリングも、似合っているね」
 靴を履き始めたクリュに対し、春が一言。いつもとは違う髪型をしているためか、褒め言葉までかけてきた。
「ありがと」
 春に褒め称えられたクリュが満面の笑みを浮かべる。満更でもないようだ。
 クリュは靴を履いた後、その笑みを湛えたまま言った。
「パパ、いってらっしゃい」
「いってきます。夢衣も、いってらっしゃい。気を付けて行くんだよ」
 春も静かに微笑んで、挨拶の言葉を口にした。
「うん、いってきます」
 そうして、二人はそれぞれの行き先に向かっていった。


 クリュが向かう場所はもちろん学校だ。
 道中には、登校中の生徒達が道々を進んでいる。銀誓館の生徒や自由な校風を知る近郊の生徒に紛れれば、案外目立たないものなのだろうか。イヤリングぐらいでは、誰も気に留める気配がない。
 しかし、クリュは落ち着かない気分でいる。去年の春休み明けに、規制制服ではない服装を着て行った時と同じ心境だった。
 だからと言って、登校風景は普段と変わらない。学校へ到着するまでに、知人や在住が近郊で徒歩通勤する先生と出会った。普通に挨拶を交わしながらやがて見えてきたのは、遠方にある校門だ。
 クリュは一旦人通りの多い道から逸れた。逸れたと言っても、極力邪魔にならない場所へ移ったに過ぎない。立ち止まりはせずにゆっくりと歩いてゆく。
 離れた理由は、《A cross under the moon》を外すという目的を果たすためだった。
 最初からそのつもりなら付けなければ良いとも思うだろう。だがあくまで学園内においての使用を避けるがためのことだ。物陰へ隠れるまでの必要がなかった。ここで怪しい行動を取る方が余程変に違いない。
 《Sardonyx》を嵌めずに出てきた理由はそこにある。手袋をするからと、後のことを考えたのだ。
 堂々とすれば良いものを、内心次第でややこしくなるのだから面倒な話である。
 何はともあれ、クリュが空いている左手の方で左耳の《A cross under the moon》を外す。そして右腕に提げていた鞄に入れた。
 歩幅を短くしようと確実に近付いてゆくので、校門がよく見える位置までもう来ている。
 少し慌てつつも右手を自由にしようと、鞄を左腕に持ち替えた。そして空いたその手で右耳の《A cross under the moon》に触れた時……。
 クリュは突然名前を呼ばれて振り返った。
 唐突なことで一旦息をついたので、冷たい空気に晒された白い吐息が漏れる。それと同時に、携帯カメラのシャッターを切る音が聞こえてきた。
「あ」
 激写してきた犯人の女生徒は、クリュの知り合いだった。
 女生徒の話によれば、今日の姿を是非一枚記録しておこうと思ったからだとか。今度いつ見られるか分からない、レアな瞬間なのは確かである。
 クリュとしても撮られた以上、自身の写真写りがどんなものか気になるだろう。取り損ねていた《A cross under the moon》を外して、鞄にしまいながら校門を通る。女生徒にお願いしてみると元々そのつもりだったようで、快く携帯を寄せてきた。
 写真のクリュは不意を突かれて、有りのままの顔である。凛とした態度ときょとんとした表情、両方が入り混じっているかのようであった。

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この記事のコメント

お邪魔しております、ミシェルですー。

素敵なSS、完成おめでとうです!
みんなから、ぼくからのプレゼントを身に着けてくださったBU、素敵ですよねー。
そのBUにまつわるSSも、クリュさんの日常の中でそれぞれのプレゼントが出てきて、とても楽しかったです。
どうもありがとうございました!

ではまたお邪魔しますねー。
2009-11-03 Tue 22:41 | URL | ミシェル [ 編集]
いらっしゃい。

楽しんでくれたなら何よりかな。
結社の方でも言っておいた、登場具合は…うん(何

ま、候補生さんにSSを頼んでみるいい機会だったかもしれけど、背後さんの傾向で長くなるからなあ。
やっぱり自分で書くのが一番なのかも(笑
2009-11-03 Tue 23:46 | URL | クリューナ [ 編集]

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